エピソード2

私の弟が小学校中学年のころの話です。我が家はお正月になると祖父母の家に集まり、他の親戚たちと過ごすのが通例でした。毎年、30人以上も祖父母から、伯父・伯母その子供たちが全員集合します。もらうお年玉も結構な額が集まりますから、特に小中学生の男の子たちは一人数万円の札を握りしめて近くの駄菓子屋やおもちゃ屋(なぜか1月1日にはかならず開店しています)に直行します。今までは、プラモデルやミニカーなどを数点購入するくらいで、満足していました。が、その年はかなり、テンションがあがっていたのでしょう。遠方の規模の大きなお店まで遠征したようです。昼頃、祖父母宅を飛び出していき、帰ってきたのは午後7時頃でした。大人たちが心配になり、探しにいこうかと話し合っていたところにひょっこり彼らはあらわれました。全員両手にサンタクロースが担いでいるような大きな袋を持っています。中を見るとプラスチックの透明の楕円形のケースに入ったキーホルダーのようなものやミニフィギュアのようなものがぎっしりと詰まっています。そのころ流行っていたゲームのキャラクターを模したものなのでしょう。親たちはびっくり仰天して、子供たちにお年玉はどうしたのかと聞きます。きまり悪そうな顔をして、うつむいています。母は弟の財布をひったくり中を確かめていました。1000円札が1枚入っているだけでした。他の子供も同様です。母も伯母たちも騒然となり、子供たちとそのデカい袋を持って、件の店に向かいました。その店に着くや、また驚かされます。その店に置かれていた10台近くのガチャガチャがすべてが、すっからかんになっていました。弟たちがお年玉を全部つぎ込んだようです。店主のおばさんもニヤニヤしていました。当然、ほとんどを返品させてもらいました。母や伯母たちはなぜ、途中で止めてくれなかったのかと抗議していました。店主もさすがにすまなそうな顔をして、黙って返品に応じてくれました。子供たちの話では狙っていた大物をなかなか出すことができずこのような結果になったのだということでした。